2018年10月15日

506 熊本県には多くの熊野系神社がある “熊本県氷川町立神峡谷の熊野座神社”

506 熊本県には多くの熊野系神社がある “熊本県氷川町立神峡谷の熊野座神社”

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太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久


ひぼろぎ逍遥 540 南阿蘇に急造された新興パワー・スポット “高森町の上色見熊野座神社”において、熊野座神社を取り上げました。

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熊野座神社は熊本県玉名郡 南関町久重(久重熊野座神社)、人吉市東間上町3799(岩屋熊野座神社)、荒尾市荒尾(上荒尾熊野座神社)…にもあるのですが、大半は未見の神社でありここでは保留します。

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また、熊本市の中心部にも3つの熊野座神社があることから熊本県には阿蘇系神社ばかりと思われる向きにはかなり衝撃的な印象を持たれるかも知れません。

一般的には熊野座神社とは熊野本宮大社(実はアカルヒメを祭神とするのですが)を意味するのですが、熊野本宮、速玉、那智の三宮を併せ祀るものが多いようです。

中でも印象深いのが、旧球磨村の巨大洞窟に鎮座する球磨川流域の国名勝 神瀬石灰洞窟(熊野座神社)で、安っぽいパワー・スポットなど吹き飛ぶようなまずは感無量といった思いになります。

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この外にもかなりの数の熊野系神社があるのですが、何故、和歌山県から遠く離れた肥後の地にこれほどの熊野座神社があるのかをお考えいただきたいのです。

一つは、南北朝争乱期に菊池、阿蘇、五条、名和…の一党が南朝方(宮方)として奮戦し破れたという歴史があり、四国の構造線に沿って熊野と連携していたという経緯が考えられるのですが、八代の妙見宮周辺を調べていくと、単なる宮方の連携と言った話ではなく熊野の故地が肥後であった事が分かってくるのです。

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神瀬石灰洞窟(熊野座神社)については、ひぼろぎ逍遥 312 イワツバメの大群が飛び交う巨大鍾乳洞に鎮座する熊野座神社 をお読み頂きたいのですが、以下一部を掲載。

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同社縁起


同社祭神 伊邪那美、速玉男命、事解男命


まず、イザナミは祀られているものの、イザナギが祀られていない事にお気づきの方は勘の鋭い方と言えるでしょう。

ここにこそ熊野(=球磨)の神話の淵源があるのですが、それについては後回しにするとして、祭神

のイザナミは良いでしょうが、速玉男命、事解男命が誰かはお分かりではないのではないでしょうか?

百嶋神社考古学では、イザナミはイザナギと別れた後博多の櫛田神社の主祭神の大幡主のお妃になっているのです。

そして、阿波、紀州に本拠地を移した後の熊野では、熊野那智大社の主神(クマノフスミ)になっているのです。

 その事を物語るかのように、「日本書紀」の一書には「もう縁を切りましょう」とのフレーズが出て来るのです。

 神様の名前の多さに苦労しているのはどなたも同じでしょうが、その理由の一つに、政略結婚の繰り返しの度に前の配偶者を配慮して名を変える(死んだことにより蘇るという意味も・・・)という事があるようなのです。

事解男命

死んで黄泉国にいかれた伊邪那美神を、伊邪那岐神が追っていったところ、 すでに伊邪那美神の遺体は腐ってうじがたかり、遺体の各部に八雷神が生まれていた。
 『古事記』や『日本書紀』本文では、伊邪那岐神は慌てて逃げ帰ったと記されているが、 一書には、穏やかに「もう縁を切りましょう」と言い、「お前には負けないつもりだ」と言って唾を吐いた。 その唾から生まれた神が
速玉男命。次に掃きはらって生まれた神が泉津事解之男。

敬愛する「玄松子」

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では、速玉男命、事解男命とは誰なのかという話になるのですが、この速玉男命こそ博多の大幡主なのであり、熊野速玉大社の祭神でもあるのですが、もう一柱の事解男命は金山彦となるので、では、熊野三山の中心熊野本宮大社の祭神は何なんだと言う方が居られますが、それこそ、スサノウが追って来たアカルヒメ(実は糸島市の細石神社の祭神磐長姫)になるのです。

それについては、ひぼろぎ逍遥(跡宮)064 博多の櫛田神社の祭神とは何か?他をお読みください。

さて、再び立神の熊野座神社に話を戻します。

この神社も、球磨川の神瀬の熊野座神社同様に、祭神を伊邪那美、速玉男命、事解男命としており、熊野本宮大社の(実:アカルヒメ=元スサノウのお妃)を消し、金山彦=事解男命が祀られているのです。

もしかしたらこちらの方がより原型に近いのではないかと思うのですが、金山彦がスサノウの子でもあるナガスネヒコの先祖神でもあることから憚られた可能性も否定できません。

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立神の熊野座神社縁起

posted by 久留米地名研究会 古川清久 at 00:00| Comment(0) | 日記
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