ひぼろぎ逍遥(跡宮)981 「信州佐久の鯉太郎」久留米講演への手書き資料として
20230303
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
通常、講演はパワー・ポイントによって行いますが、パソコンをお使いにならない方などにはどうしてもペーパーで配布資料を作ることになります。既に、ネット上にはブログを公開していますので、スマホで検索すれば必要な部分を読む事は出来るのです。そのためのメモが以下のものです。その意味では参加されていない方でも、これに基づいて講演の一端はお判り頂けるのです。
当日はこのパワー・ポイントを配布しますので、せっかくですからブログと先に北九州市小倉区で行った講演の音声データ(MP3方式)も入れています。これ以上のデータは無いのです。当日200円〜

968 | 信州佐久の鯉太郎(番外) 信州最奥部の呉橋と勅使堂(門) 上田市 前山鹽田神社の切り出 |
967 | 甲信越の若宮八幡宮とは何なのか? |
961 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編) ⓯ 続 山梨県 若宮八幡神社(追補) |
960 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編) ⓮ 山梨県 若宮八幡神社 |
959 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編) ⓭ 長野県富士見町 若宮八幡神社 |
958 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)⓬ 上田市 鹿教湯温泉の呉橋 |
957 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)⓫ 佐久市 近津神社 |
956 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❿ 佐久市 若宮八幡神社 |
955 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❾ 佐久市 高良社 |
954 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❽ 小諸市 御影神社 |
951 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❼ 上田市 生島足島神社 (下) |
950 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❻ 上田市 生島足島神社 (中) |
949 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❺ 上田市 生島足島神社 (上) |
948 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❹ 上田市 前山鹽田神社 |
947 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❸ 上田市 山鹿神社 |
946 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)❷ 千曲市 佐良志奈神社 |
945 | 信州佐久の鯉太郎 信州最奥部の神社を探る (実踏編)➊ 千曲市 武水分八幡神社 |
944 | 信州佐久の鯉太郎 “千曲、上田、小諸、佐久遠征への下調べ” として (企画編)⓪ |
349 | 勝沼ワインの里の大善寺 G“ぶどう寺と宮地嶽神社には何故 「三階松の神紋」があるのか?” |
348 | 勝沼ワインの里の大善寺 F“ぶどう寺にはなぜ「国宝ぶどう 薬師」像があるのか?”(追補)A |
345 | 勝沼にも高良神社があった “山梨市の大井俣窪八幡神社” |
344 | 勝沼ワインの里の大善寺 E “ぶどう寺にはなぜ「国宝ぶどう 薬師」像があるのか?”(追補) |
343 | 勝沼ワインの里の大善寺 D “ぶどう寺にはなぜ「国宝ぶどう 薬師」像があるのか?”(下) |
342 | 勝沼ワインの里の大善寺 C “ぶどう寺にはなぜ「国宝ぶどう 薬師」像があるのか?”(中) |
341 | 勝沼ワインの里の大善寺 B “ぶどう寺にはなぜ「国宝ぶどう 薬師」像があるのか?”(上) |
213 | 勝沼ワインの里の大善寺 A “大善寺の全国的傾向” |
212 | 勝沼ワインの里の大善寺 @ “山梨県甲州市勝沼町勝沼の五所神社の神宮寺” |
古川清久小倉講演「信州佐久の鯉太郎」
音声記録3hのファイル
まず、最初に見て頂きたい衝撃的なデータが在ります。 久留米在住の方には特に感じるものがあるでしょう。 それは大善寺の分布です。これは私がネット検索で 拾っただけのものですが、その数が半端ではないの です。大善寺玉垂宮ですね。 | 213 勝沼ワインの里の大善寺 A “大善寺の全国的傾向” |
大善寺 北海道中川郡美深 浄土宗
大善寺 北海道室蘭市 曹洞宗
大善寺 青森県北津軽郡板柳町 浄土宗
大善寺なし 岩手県
大善寺なし 秋田県
大善寺なし 宮城県
大善寺 山形県酒田市 真言宗醍醐派
大善寺地名のみ 福島県郡山市田村町大善寺
大善寺なし 茨城県
大善寺なし 千葉県
大善寺 神奈川県横浜市 浄土宗
大善寺 神奈川県横浜市都筑区南山田 大善寺 神奈川県横須賀市 金峯山不動院大善寺
大善寺なし 埼玉県 大善寺なし 茨城県
大善寺 群馬県桐生市 浄土宗 大善寺 栃木県矢板市 浄土宗
大善寺 東京都八王子市 浄土宗系の単立寺院 大善寺 東京都八王子市 浄土宗系の単立寺院
大善寺 静岡県島田市 浄土宗 大善寺 群馬県桐生市 浄土宗
大善寺 山梨県甲州市 真言宗智山派 (元は天台宗)ぶどう寺として高名
大善寺 愛知県江南市 臨済宗 大善寺 愛知県新庄市 浄土宗
大善寺地名のみ 愛知県一宮市千秋町浅野羽根大善寺(字)
大善寺 新潟県新発田市 浄土宗 大善寺なし 石川県
大善寺なし 富山県 大善寺なし 長野県
大善寺なし 岐阜県 大善寺 福井県坂井市 真言宗智山派
大善寺 三重県津市 浄土真宗本願寺派
大善寺 滋賀県新旭町 天台宗(天台真盛宗の総本山)
大善寺なし 和歌山県 大善寺 奈良県五條市 高野山真言宗
大善寺 京都府京都市伏見区 浄土宗 大善寺 大阪市天王寺区生玉寺町5-2
大阪府 大阪市天王寺区城南寺町8-26 大善寺 兵庫県福崎町 東寺真言宗
大善寺なし 愛媛県 大善寺なし 徳島県
大善寺 高知県須崎市 高野山真言宗 大善寺 鳥取県鳥取市 浄土宗
大善寺 島根県益田市 日蓮正宗 大善寺 岡山県矢掛町 浄土宗
大善寺 広島県三原市 浄土宗 大善寺 山口県萩市 日蓮正宗
大善寺 福岡県福津市 浄土宗 (宮地嶽神社に近く付近に勝浦地名あり)
大善寺 福岡県久留米市 天台宗
大善寺 大分県宇佐市 曹洞宗 (宇佐神宮の神宮寺で元は天台宗) 公式には弥勒寺
大興善寺 佐賀県基山町 天台宗別格本山大興善寺(肥前、肥後に一寺?)
鹿児島県(旧日向国) 大善寺なし 宮崎県(旧日向国)大善寺なし
ご覧のとおり、全国に30〜40の大善寺(北海道の2寺を含む)及び大善寺地名が存在することが分かります。
では、これをどのように考えるべきでしょうか?これほど多岐に亘り宗派を超える大善寺が存在するという事は、最低でも、天台、真言の平安仏教以前に、「大善寺」という寺号が好んで付されたとしか言いようがないように思います。これは一般的に言える事ですが、領主が代わったり、教団の変化があり、宗派が変わるなどして(天台から真言へor浄土宗から真宗へ…)と言った鞍替え起きる時にも元の寺号が全く変わるのではなく、最低でも文字を残したり、そのニュワンスを残すケースは良くある事です。
それを中国の“画竜点晴(晴は別字)を欠く”安楽寺の様に一種の流行といった話もなく、奈良仏教の南都六宗派に大善寺の痕跡が無い以上、消された可能性もあるのですが、それ以前に遡る、つまり、近畿大和朝廷の国分寺、国分尼寺に先行する九州王朝系の大善寺が全国に存在していたのではないかと思うのです。そして、その大善寺が武田勝頼が自決した谷の裾にもあるのです。これはあくまで仮説です。
以下講演の要旨を箇条書きにしてパワー・ポイントによるお話に移行します。
➀ 以前の調査から甲信越に若宮神社がかなり存在していると言う事には気づいていました。
それは、四国とか中国地方の高良神社を探っていると付近に若宮神社が存在していると言う形で気づいていたものの延長に在ります。ところが、甲信越に踏み入ると若宮神社の分布が高良社以上に顕著で当時でも、これは武田氏の影響によるものかも知れないとさえ思わせるものだったのです。
➁ 実は、甲府のぶどう寺と呼ばれる大寺院が宮地嶽神社の三階松の紋章を使い、久留米の大善寺玉垂宮の名を持つことに気付き8年ほど前に踏み入ったのが始まりでした。こうして甲府のぶどう寺大善寺を訪問しました。それについては7本の甲府のぶどう寺大善寺のブログをお読み頂きたいと思います。
➂ もう一つの伏線としては、筑豊の物部氏が日本海側に逃げ中部山岳地方に逃げそれが武士(モノノフ)になっているのではないかとの仮説を検証するために上越市から諏訪に入るルートを踏みました。
また、朝倉氏の全国展開を追って、まず兵庫県(但馬)は養父市の朝倉氏(小佐氏)と朝来市の朝倉氏、福井県、敦賀(金ヶ崎城は宗像の鐘ケ崎の移動です)の浅井、朝倉の朝倉氏の移動を確認し確信は一層深まりました。この朝倉地名も全国各地に30はカウントできます。
ひぼろぎ逍遥
146 | 「朝来」地名について B “朝倉氏と小佐氏” |
145 | 「朝来」地名について A “但馬、朝倉、養父、志波” |
144 | 「朝来」地名について @ “兵庫県朝来市の朝来山から” |
こうした下調べはほぼ10年前から始めていましたが、きっかけは百嶋由一郎が話した“九州王朝は但馬に逃げています。そしてその手助けをしたのは宗像の人々でした…”とのアドバイスでした。
しかし、その後追いから、九州王朝の避退地は更に奥へと延び、既に先生には武田信玄の一族も高良玉垂命の腹違いの一族である大彦=阿部氏の後裔であるとのメモまで残しておられたのです。
今回、この事を山梨県韮崎市の韮崎八幡宮の神殿に併設された若宮宮を確認することを持って、新羅三郎に端を発した武田氏のルーツも佃収研究の天孫族と重なりそうであることも見えてきたのでした。
百嶋由一郎最終神代系譜 見づらいでしょうが全体が分からないと意味がないためこの形で表示します
できればこのページだけを印刷し、さらに141パーセントの拡大したA3タイプでご確認ください。文中でも取り上げた神代系譜などを必要とされる方は09062983254までご連絡ください