930 続)愛媛県の神社調査を本格化させたい(下調べ) A
20220228
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
愛媛の神社調査についてはこれまでにも何度か行ってきましたが、経費の問題、距離、時間の問題から、後回しにせざるをえませんでした。
むしろ四国全域に目が向いており、土佐、阿波、讃岐…を優先し伊予が遅れたことは否めません。
伊予市の伊予稲荷社については、つい最近リポートさせて頂いていたのですが、最大の都市である松山を主眼に、まずは、松前町を次に伊予市を…とじっくり見たいと思うのです。
そもそも一応は卑弥呼宗女伊予の伊予に通じる名を持っている九州の東隣の国なのですから。

とりあえず西予(この表現で良いんでしょうか?中予?)地方から探索を始めたいと思います
松前町では伊予神社(松山市内の伊予神社は過去何度か足を運んでますが、松前の伊予神社は初見です)と高忍日売神社は外せません。

本来、伊予は大山祗系の言わば山の神が何故大三島に…?と訝しがられる国ですが、松前を見る限り、その匂いがしません。しかし、貴船神社にはその痕跡が認められるのです。
大山積神(おほやまつみのかみ) 別雷神(わけいかづちのかみ) 罔象女命(みずはのめのみこと) 高龗神(たかおかみのかみ) |
と、言っても、別雷神は豊玉彦と櫛稲田姫との間に生まれた(百嶋神代系譜によればスサノウと櫛稲田姫はナガスネヒコの乱以降なのか一緒になっておられます)鴨玉依姫を母に生まれた(父神は阿蘇の草部吉見、母神は市杵島姫命)上賀茂大社の神で言わば実質的な藤原氏の始祖のような人物であり、大山祗系では全くないのです。また、高龗神も誰だか分かりにくいかも知れませんが、簡単に言えば皆さん良くご存じの「蘇民将来伝承」の巨胆なのです。
それでも実態が掴めないと思いますので、敢えてはっきり言えば阿蘇神社の最奥神殿に祀られている金凝彦(カナコリヒコ)=後の藤原氏が第2代贈る綏靖天皇扱いにされた人物=神武の子などではさらさらないのです。

百嶋由一郎最終神代系譜(部分)
ご覧の通り、罔象女神は大山祗の長女であり(黄枠)、大国主命は大幡主系(博多櫛田神社主神)、コノハナノサクヤは妹に当たる訳です。
従って、同社は大山祗系と阿蘇系が半々に祀られる神社であり、普通ならば敵同士になる訳です。
それが何故かは不明です。それは、阿蘇系の二神が進駐軍のお目付け役だったのかも知れませんし、初期の藤原氏=阿蘇系が畿内に進出する時期には大山祗系を無視できなかったからかも知れません。
実際、この神社の成立が和同年間(平安初期)であることから、まだ、九州王朝の痕跡が残っていたのかも知れません。
これ事前の資料であり深くは掘り下げません。
全ては実踏してからにしたいのですが、当てが外れて書く気が無くなるかも知れません。
次に、頭王神社を考えてみましょう。これも「愛媛県神社誌」を出しておきます。


スサノウ系神社が松前町には5〜6社はあるのですから、スサノウが祀られているのは当然として、このヤゴローについて思い当たることがあるので、誤りは承知の上で提案させて頂きます。

宮崎県都城市山之口地区まちづくり協議会ポータルサイト「やまのくち」
「弥五郎殿」は養老四年(七二〇)の「隼人の乱」が起きた時の隼人族の首長であったと言われています。
宮崎県指定 無形民俗文化財 国選択 平成二年二月二十七日 所在地 (的野正八幡宮)山之口町大字富吉一四一二番地
「弥五郎殿」は養老四年(七二〇)の「隼人の乱」が起きた時の隼人族の首長であったと言われています。大伴旅人(朝廷軍)によりこの乱は鎮圧されましたがこの戦いで数多くの死傷者が出ました。
それに、斬首などの残虐行為も行われたと言われています。
この隼人族の霊のたたり現象を恐れた朝廷は宇佐八幡の神託を受けて全国的規模の「放生会」を行いました。その放生会は、以後各地の八幡神社の祭りとして行われました。
放生会の先払(先導役)となったのか隼人族首長弥五郎どんです。大隅地方、日向諸県地方ではこの放生会を「ホゼ」=豊穣祭と言っています。
当時全国規模で行われたと思われる「放生会次第」による祭りで現存しているのは南九州では、鹿児島県岩川八幡神社・宮崎県日南田之上八幡神社・山之口町的野八幡宮の三ヶ所だけと言われています。
鹿児島宮崎=古代日向には、この弥五郎どん が色濃く残っています。
熊本県の中心部から芦北町、そして人吉市などにもヤグロウ、矢具神社なるものがありますので、かつてはこの文化が広く残っていたのではないかと考えています。
ただ、現地では隼人の英雄説や逆に大和朝廷側の王とも言われていますが、百嶋神社考古学では、九州王朝の南方進出、経営、のために送り込まれた猿田彦=山幸彦=ニギハヤヒ…を象徴するものと考えています。
高忍日売神社、伊予神社に重点を置いて、まずは、エリアが小さい松前町の概要がある程度見えてくるのではないかと考えています。
次は、伊予市を、そして、松山から砥部町、中山町…へと少しづつ広げてゆきたいと思います。
百嶋由一郎が残した、神代系譜スキャニングDVD、講演録音声CD、手書きメモ スキャニングDVDを必要な方は09062983254までご連絡ください。どの時間帯でも対応します。
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