2022年01月24日

859 もう一つの鳥之子 武夷鳥 を祀る神社を探る “周防の防府天満宮”

859 もう一つの鳥之子 武夷鳥 を祀る神社を探る “周防の防府天満宮”

20210110

太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久


これも熊本県西原村の鳥子三之宮神社の底流にある鳥之子(父神ヤタガラス、母神阿蘇都比売)氏族に対し、もう一つの鳥之子(父神ヤタガラス、母神瀛津世襲足姫=武内足尼)と呼ばれる氏族を祀る神社をご紹介する事にします。

 ところが、九州島において「武夷鳥」なる祭神に遭遇する事はありません。

 例外は対馬の一社(小牧宿禰神社:敬愛する玄松子氏による)ですが、当方が訪問した近郊の神社としては山口県防府市の防府天満宮がありました。

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防府天満宮 カーナビ検索 山口県防府市松崎町14-1

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防府と言えば同市に34社ある周防国一宮 玉祖神社 (タマノオヤ)神社及びその分社が頭に浮かびます。

 4年ほど前になかなか良い出来の「山口県神社誌」を手に神社探査を行いましたが、この防府ではこの玉祖神社の主祭神が謎だとされており神社関係者では等しく正体不明な神とされているのです。

 我々百嶋神社考古学の者から見れば、この玉祖とは豊玉彦の親=博多の櫛田神社の主神大幡主=造化三神のカミムスビであることは一目でありその神紋もそれに準じているのです。

 結局、能天気な事に同社もたまたま遭遇したその宮○殿もご存じなかったのです。

それについては、以下をお読み下さい。


 ひぼろぎ逍遥(跡宮)

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熊本県産山村で遭遇した神社探訪者から問われた玉祖神社と

八女津媛神社について B

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熊本県産山村で遭遇した神社探訪者から問われた玉祖神社と

八女津媛神社について A

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熊本県産山村で遭遇した神社探訪者から問われた玉祖神社と

八女津媛神社について @


 この玉祖神社に従うかのように鎮座しているのが、防府天満宮なのです。

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祭 神:菅原道真

配 祀:天穗日命  武夷鳥命 野見宿禰


 この菅公が祭神とされたのは藤原氏が雷に撃たれて以降の事でしょうが、それ以前には祭祀が存在しなかったとは思われず、それ以前の祭神は天穗日命  武夷鳥命  野見宿禰 系の神々だったはずなのです。

 ただ、菅公はと言えば、金山彦の孫にあたるナガスネヒコ後裔の本家とヤタガラスの後裔の本家同志によって成立した新氏族だったのです。全て理由が揃っていることがお分かり頂けるでしょう。

まず、菅公については説明不要でしょう。天穂日命は「古事記」の大国主命の国譲りでも出てくるので知られているでしょうが、それが誰なのかはあまり知られていないでしょう。

結論を急げば皆さん良くご存じのヤタガラス(豊玉彦)なのです。

「古事記」天照大神と素盞嗚尊の誓約で生まれた神などとされていますが、それは藤原が勝手に造ったそれこそお伽話に過ぎず、実体は博多の櫛田神社の主祭神のプリンセスなのです(大幡主 豊玉彦)。

 良く考えれば、意外と近い所に鳥子の一派である武夷鳥の一族がいたのです。

 以下「玄松子」氏の公表に依れば、天夷鳥命 を祀る神社(玄松子が参拝した神社のみ)があります。

天日名鳥命神社  鳥取県鳥取市大畑字森崎874  比那神社  島根県出雲市姫原町394 野見神社  愛知県豊田市榊野町見切53  小牧宿禰神社  長崎県対馬市峰町三根字寺の内959 阿須伎神社  島根県出雲市大社町遙堪1473  馬見岡綿向神社  滋賀県蒲生郡日野町村井705 防府天満宮  山口県防府市松崎町14−1  神門神社  兵庫県豊岡市日高町荒川字村上309 出雲大神宮  京都府亀岡市千歳町千歳出雲  射手神社  三重県伊賀市長田2691−1        西日本が多いですね。

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百嶋由一郎 神代系譜 017阿蘇系譜@(部分)


 これで、二つ鳥之子の一族の中の天日鷲の一族と武夷鳥の二例をお示しする事ができました。

 この二つは阿蘇系と金山彦系という本来相入れない氏族であり分からない事が多いのです。

ただ、こうして新たに派生した氏族が後の日本という国の骨太い骨格を支えていったのだと思うのです。


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posted by 久留米地名研究会 古川清久 at 00:00| Comment(0) | 日記