846 熊本県御船町の神武天皇祭祀を求めて “御船町宮崎神社”
20201107
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
熊本市の南に御船町があります。熊本地震で酷い被害を受けた益城町を含め、嘉島町、甲佐町など平成の大合併に乗らなかったまさに肥後もっこすとも言うべき町々が残っている地域です。
通常、喧騒を避けて田舎の神社を巡る事が多いため殆ど初見の神社が多い地域です。
中でも御船町は小さな町にも拘わらず100社近い神社が並び(下の地図には一部しか表示されていません)、古い時代に陸化が進み多くの民族、氏族が入って来た事が想像できます。
あまり気は進みませんでしたが、熊本の小さな方のトレッキング・グループからの依頼があり、この一帯の神社を巡る事にしました。
それぞれ関心を寄せる神社を選び出し訪問するだけのことですが、グーグル検索と「熊本県神社誌」に頼るだけの企画で機動性重視のトレッキングが始まりました。
最後まで雨の悪天候を押して参加される数名の女性神社探訪メンバーは有難い限りです。


さて、関係の有無は不明ですが、御船町には「天君」と言う奇妙な地名が存在し天君ダムも存在します。
天君 鉄の王 キム・スロ : 狗邪国の天君(チョングン、祭司長のこと)。封神演義 (漫画) ◦封神演義の登場人物一覧 古代馬韓の国邑で各一人を天神の祭の司祭に立て、これを天君と呼ぶ。天軍(천군) : 大韓民国の映画。
まさしく熊本市の南は狗奴国の領域のはずで天君ダムがあってもおかしくないのです。
また、百嶋先生はこの一帯に暫く神武僭称崇神(ハツクニシラス…)ではなく本物の神武天皇(カムヤマトイワレヒコ)もおられた時期があったとの話もされていたように思います。
そこで、個人的には御船町に神武天皇に関わる祭祀を探すと、御船町陣640の宮崎神社と御船町水越2557(現地番167?)の水越神社(神武外4神)を見たいと考えていました。

先に水越神社を見たかったのですが、道路工事による通行止めで次回に廻すも宮崎神社に行くと中々見つからず、グーグル・マップにも表示が出ないという困難を越え、漸く神社に辿り着きました。


ぼやけていますが、何故か鶴丸の紋章でどう見てもニギハヤヒ、ウマシマジ…系の神紋なのです

確かに宮崎神社は存在しました
村社扱いにもなっていますが、どうも神武天皇を祀る神社だったかは疑問に感じています。
明治期の村社昇格のために神武天皇を祀った事にした可能性もあるのではないかとの印象を持ちました。
水越神社を再訪し改めて考えたいと思います。