2019年07月26日

ビアヘロ 090 森(山)の栄養は如何に維持されているのか? “平野虎丸 「日本一花の森」開園に寄せて”

ビアヘロ 090

森(山)の栄養は如何に維持されているのか? “平野虎丸 「日本一花の森」開園に寄せて”

20190530

太宰府地名研究会 古川 清久


 環境問題での同志であり実践的林業者でもある平野虎丸氏による「日本一花の森」がオープンし本格稼働しています。既にオープンしていますが、支援グループも複数のため開所祝いも何派にもなるのです。

 詳しくは数多い平野虎丸氏のブログや当方のブログにリンクを張っている「山大学」や「公務員林業の弊害」…を検索し読まれる無題.pngとして、今回はこの自然林の根拠地となる新「平野虎丸邸」のご紹介とその勉強会オープンへ向けて当方が書き下ろした小稿を公開しようと思うものです。

 平野氏は全国的に知られた環境問題の活動家であり、同時にプロの林業家でもあるのですが、林野庁による「公務員林業」を批判し、結果、多くの災害が頻発し、かつ、今後も発生し続ける現状を警告し続けておられます。

 氏は齢80を超えるも、新たに阿蘇外輪山の東麓の高原地帯に50町歩(150万坪)広大な面積の天然の森を造り、資財を投入し、その拠点とするべく50100人は集まれる合宿所(研修所)を造られたのでした。しかも一泊1000円?

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彼の主張は以下に凝縮されています。


公務員林業の弊害

国立公園、国定公園での森林整備を禁止。沢周辺、急斜面での森林整備(林業)を控えることで、日本の生物多様性が守られ、土砂災害を90%減災できます。国土破壊を続ける国営林業廃止を訴えています。

      「土砂災害から命だけは守れます。ご相談ください。090-2082-6618。」


一応は冒頭に「環境問題の同志であり実践的林業者でもある平野虎丸氏」と書きましたが、私は氏の立場とは異なり、“全国の人工林に火を掛け焼き払え!”(後は自然の復林が始まる)という過激なスローガンを掲げていますので(blog「ひぼろぎ逍遥」外)、立派な活動家である平野氏に御迷惑が掛かるといけませんので、一方的な同志(そんな立場は無いのですが)として側面的に支援させて頂いています。

さて、今回のテーマです。西日本の豪雨災害で取り上げた(以下のブログ)行政による環境破壊と言った話は抑え、誰でも良くご存じの森(山)から海へ(森は海の恋人)ではなく、海から森(山)への栄養の循環の問題を多少ともお話したいと思います。


blog ひぼろぎ逍遥

スポット112 行政が引き起こした人災だと何故分からないのか?

スポット115 山に木がある方が安全だと思い込んでいる人に対して!

スポット116災害復旧に意味があるのか?

スポット117ヒート・アイランドを引き起こした無能な国土交通省 “熱 禍”

スポット122大量の土壌流出と大量の木材流出は今後も継続する

スポット123筑後川の南から北の被災地を眺める 悲しい棄民国家の現実

スポット125朝倉から日田にかけての山々の行く末

スポット130九州北部豪雨災害の崩落木材が燃えている!

スポット134九州北部豪雨の棄民とポルトガルの内務相辞任

スポット141林野庁 農水省官僚の照れ隠し

スポット175中津市金吉の土砂崩落はなぜ起きたのか?

スポット191194 2018西日本豪雨〜熱波

スポット203北海道の巨大地震で起こった山崩れの意味するもの

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東北の養殖業者であった畠山 重篤氏が「森は海の恋人」 (文春文庫) 文庫  2006/9/5 で描かれた世界は、海は独立して海として存在しているのではなく山からの栄養によって保たれており、背後に豊かな森(山)と川が無ければ海の豊かさも保てないと言うものでした。氏はこの事を発信され、実際にも森の育成にも力を注がれたのでした。一方、平野氏は畠山氏にも似て林業者の立場から森(山)を本来のものに蘇らせようと努力されておられるのです。しかしながら、一度は「有明海異変」(不知火書房)2003 を書いたものとして、畠山想定の逆コースの海から(勿論平地からも)の栄養が森(山)に還元されなければ森の豊かさは持続されない…と言った問題を提起したいと思います。


森の栄養は如何にして保たれているのか?


 勿論、森の植物も豊かに育つためには栄養が必要です。

しかし、森(山)は雨に打たれ風に飛ばされ一方的に栄養を奪われ続けている様にしか見えません。

 しかし近代に入り産業化される前まで列島の森は豊かであり続けました。

 その豊かな森が見るも無残なばかりの有様になっているのが現在の人工林です。

実に瓦礫の上に根を張らぬ杉桧の大木が乗っているだけとなり今や崩落の順番待ちとなっているのです。

 この重大な危険とその原因は林野庁による拡大造林以来の急傾斜地への過剰な植林だった事は言うまでもありません。それもまだ売れるならばまだしも、今や都会は鉄とコンクリートとガラスとプラスチックスと僅かな外材の合板(大量の接着剤)、地方都市から農村部でも小泉竹中による所得の低下から輸入米松の合板によるマッチ箱型プレハブ住宅に代わっており、もはや国産の杉桧の需要は消失しているのです。

 一部に中国向け輸出が活況との話はなされますが、国有林野事業そのものが大量の税金が投入されたものなのであって、仮に輸出補助金として税金が投入されていないとしても、林業自体に大量の税金が投入されている以上、実質的には大量の輸出補助金付で日本を脅し続けて来た中国を潤しているだけなのです。

では、山の栄養は如何に保たれてきたのでしょうか。

分かり易くするために箇条書きの例示とさせて頂きます。あくまでも例示であって、この外にも色々なものがあるでしょう。最後にその色々も考えて見ましょう。

@  「からす なぜなくの からすはやまに…」と野口雨情が詠った様に、山を塒とする鳥が海岸部で餌を取るるなどして栄養を補給し、山に戻り糞をし、その死骸も森(山)に戻る。

A  当然、狸や猪や鹿や熊(カモシカは岩場まで…)や狼が山に帰りその死骸が山に持ちあげられる。

B  もっと簡単な例は昆虫が山に移動する事によっても栄養が山に戻ることになる。

C  鮎や鮭の溯上とそれを喰う熊が山奥で糞をし、その死骸が小動物ん餌となる事も栄養の持ち上げになる。

D  登山客の糞尿や弁当の食べ残しを捨てる事も(善悪を申し上げてはいないので…)。奇妙に思われるでしょうが以下も当然栄養の循環に関係します。自らの征服欲、達成感のためだけにエベレストなどに登り分解する食糧ならいざ知らず、ゴミを撒き散らす登山家と称する不見識な人物の遭難したままの死骸。

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E  自殺するために山に入りそのまま行方不明になること(富士山青木ヶ原樹海)。=のざらし

F  愛犬家などという奇妙な振れ込みの犬猫ブリーダーにより捨てられた子猫子犬が餓死する事。

G  数千年来と言われる中国の黄砂による黄土高原などからのミネラルを含んだ栄養の供給。

H  201458名が死亡した御嶽山の噴火で未だに行方不明となっている登山客の死骸。

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I  廃棄食物(恵方巻きの馬鹿騒ぎ)の産廃業者、家畜、人糞を含む糞尿処理業者の闇投棄…。野糞、立小便…まだまだあるでしょう。しかし、このような形で様々な栄養の循環があるからこそ山は一方的に海に栄養を供給している様に見えるものの、昆虫が集まりそれを餌とする鳥や動物が森に棲みや結果として豊かな腐葉土が形成され、数千年の数万年の単位で列島の森林は豊かであり続けて来たと想像しています。そこから湧き出す水は数千年単位で平地の湧水として地表にもたらされ、豊かなミネラルを大量に含んだ湧水は海への栄養源となってきたのでした。ただ、膨大な面積となった人工林は一切そのような力を持たないのです。

また、現在公共下水道として地下に潜り暗闇から暗闇へと運ばれる汚水もかつては雑排水として河川に放流=還元され、多くの水棲動物(蛍やトンボに象徴される水棲昆虫、魚、蛙、獺…)により浄化され海へと送り込まれていたのでした(つまり家庭雑排水は川魚の栄養でもあったのです)。人間の人糞でさえ人力で畑に還元され江戸湾の漁業生産は全く衰えなかったのでした。

風呂の雑排水、台所の雑排水もミドリムシから小動物にとっては食糧だったのであり、結果、生物分解が行われ海の生産力は衰えなかったのでした。これを破壊したのが国土交通省である事は明らかです。

こうした問題を考える事無く森林の問題を議論する事には殆ど意味が無く、結局、人が少ない山奥の超過疎地、廃村、耕作放棄地、放置された人工林といった所から自然林の回復が始まるのであって、人工的に本来の森を再生させる運動と、私の様に全ての人工林(御用林、寺社林など一部の旧杣山程度のものは残しても良いのですが)に火を掛け自然の回復を待つ事とどちらが早いかという問題になってしまうのです。

危険極まりない人工林に火を掛けろ


ただ、人間の努力によって人為的に自然林を復元していく事は、雇用を産み、産業を創りだす事になるのですから、やっても良いかも知れません。しかし、現在の社会の中で、そのような産業に自ら進んで進出しようとする若者が居るのかと言えば極めて疑わしく、経済的な問題も考えれば、最終的には焼却処分によって自然の再生力に頼らざるを得ないのではないかと考えているのです。

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「日本一花の森」の場所は阿蘇外輪山の縁を走る国道265号線上ではなく、その東数キロを南北に走る大型広域農道の傍にあるかなり大きな集会所のような自宅です。表には「日本一花の森」の看板が出ており直ぐ分かります。この農道は波野村笹倉から高森町の草部吉見神社東の永野原付近を繋ぐ高規格広域農道(基幹林道阿蘇東部線)で、ここを走っていれば「日本一花の森」に到着する仕組みです。

至って分かり易い場所にあります。念のために住所を明示しておきます。


「日本一花の森」 カーナビ検索熊本県高森町尾下1261

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環境問題、森林問題に関心をお持ちの方は平野虎丸さんにお逢いに行かれたらと思います。

サポート会員(私もなっていますが)は、勿論、森を愛する方は一泊千円でもお泊めされるそうですのでご連絡されたらいかがでしょう090-2082-6618。一部の携帯auは現地では通じませんので…注意を。

食料は持参になるでしょうか? 付近(車で1520分)には、道の駅波野(熊本県阿蘇市波野大字小地野1602)があります。

地下水汲み上げのお風呂も入れますが、温泉が良ければ、県境を越え20分程の


荻の里温泉 カーナビ検索大分県竹田市荻町新藤  0974-64-9595


にでも行かれれば良いでしょう。

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※ひぼろぎ逍遥に朝倉の豪雨災害など多くの人工林問題などを書いていた事もあり、アメブロはアクセス制限を掛けて来たようです。平均500600件のアクセスがあったものが300350件に落ちています。このため新ひぼろぎ逍遥を桜ブログで今年の11日からスタートさせ、神社専門のひぼろぎ逍遥(跡宮)版と併せ現在3本体制で運営しています。ひぼろぎ逍遥(跡宮)が日量1000件、ひぼろぎ+新ひぼろぎで400450件のアクセスとなり、年間アクセスが50万件を超えました。

posted by 久留米地名研究会 古川清久 at 00:00| Comment(0) | ビアヘロ